樺細工
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小笠原樺工房 |
●小笠原一成
秋田県北部発祥の伝統工芸である「樺細工」をその道一筋に専心し、独特の伝統技術や製法を60数年の長きにわたって研鑽し継承してきた第一人者。
氏は3代目の樺細工工人である。その卓越した技術の中でも、銅乱のすっぽん(煙管入れ)の芯を強く差し込むと勢いよく飛び抜ける「抜け込み」技術において、現在では唯一の技術保持者である。また、工房に代々伝わる接ぎ目の無い独自の「抜き樺」の製法を改善・発展させてきた。
さらに、下地の材料として代用品だった経木が現在では主流になっているが、樺細工発祥時からの製法である槻木の樹皮を下地に用いる技法を、今日まで継承し続けている。
平成5年:秋田県工芸家協会展 工芸大賞を受賞
平成6年:第19回秋田県芸術選奨受賞
平成19年:市の発展に顕著な功績が認められ大館市功労者表彰受けている。
●小笠原 豊
1962年 田代町(現在の大館市)に生まれる。3歳にして絵を描き、木工作をして両親を驚かせる。
小笠原樺工房3代目の父・一成のもとで幼い頃より樺細工に慣れ親しむ。
1981年 文教大学に入学し人間学部で教育学を学ぶ。
1985年 卒業後はソフトウェア開発会社や商社など、樺細工とは無縁の仕事に就く。
1996年 東京から秋田に戻る。4代目に向けて本格的に家業の樺細工に就く。
2001年 第1回工芸公募展で奨励賞受賞
2002年 秋田県工芸家協会に入会し会員となる
2006年 第42回秋田県工芸家協会展にて工芸大賞受賞。
協会展では、秋田商工会議所会頭賞、秋田県議会議長賞、秋田市議会議長賞、AKT秋田テレビ社長賞・・・などを受賞。樺細工を営む家の長男として生まれながら、進学・就職では異なる道に進み、1999年の田代町まちづくり論文での最優秀賞受賞を契機に行政のさまざまな委員に委嘱され、平成の大合併では合併協議会委員を務めるなど、樺細工工人として異色の経歴を持つ。大館市社会教育委員。
●作品
小笠原樺工房