十文字和紙
和紙製小物・帽子
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渡辺 弘子 |
私と十文字和紙との出会いは広報誌の取材がきっかけでした。
「何をどのようにすれば、この紙が出来上がるのだろうか」
素朴な疑問から取材を始め、すっかり和紙に惚れ込みこの紙に向き合い、
気がつけば20年の歳月が流れていました。
もっと身近に普段使いで多くの人に使ってもらえたら…。
「十文字和紙の商品化」のことはいつも考えていました。
行き着いた私の結論は……素材の丈夫さと意外性を楽しめる
和紙の帽子 ぼ う し
数点の試作から始めて5年。十文字和紙の良さを紹介しながら、
多くの方々に支えられ、そして今毎日紙しごとができる幸せを感じています。
今では帽子のほか、柿渋の絞り染め紙、和紙の張りカゴ、名刺入れ、バック類など
新しい仲間も増えました。これからも精進してまいります。
皆様引き続きよろしくお願い申し上げます。
●十文字和紙
十文字和紙は、秋田県横手市十文字町において
二百年以上前から続く伝統的な手仕事によって作られています。
明治時代の最盛期には、紙漉きをする家は五十軒にもおよびましたが、
現在は佐々木清男さん(十文字町睦合)一軒だけになってしまいました。
和紙の素朴な美しさ、あたたかな風合いは多くの人に愛され、
平成十九年の「秋田わか杉国体」では表彰状に十文字和紙が使われています。